2026.03.06ブログ
三神たけるのお伽秦氏「忍者」(2001年3月19日記載)
「忍者」
先ごろ、ショーン・コネリーがイギリス王室からサーの称号を頂戴した。これで彼も、王侯貴族の一員である。日本人にとっては、あまりピンとこないかもしれないが、欧米社会における王侯貴族といえば、中世の騎士物語さながらの存在である。どこかの国の政治家のステータスとは次元が違う。だが、ショーン・コネリーといえば、誰もが思い浮かべるのは、映画『007』シリーズに違いない。言うまでもなく、『007』とは主人公のコードネーム。えり抜きのイギリスの国際スパイという設定だ。もちろん、最高権力者はイギリス王室の長、エリザベス2世。彼は女王陛下のスパイである。
諜報活動は国際政治の必須条件であるが、イギリスの場合、国内はMI5、国外はMI6の担当となっている。これがアメリカになると、FBIとCIAである。ことCIAはスパイの代名詞といった感がある。しかし正直なところ、どこの国にもスパイはいる。旧ロシアのKGB、韓国のKCIA、日本の内閣調査室…と、国際政治の舞台裏では、幾多のエージェントが自らの任務を遂行すべく、日夜、諜報活動に励んでいる。なかでも、特筆すべきはモサドである。モサドとは、イスラエルの諜報機関で、その仕事は世界最高レベルというのが、国際評価である。混迷する中東情勢のなか、四国ほどの大きさしかないイスラエルが存続できるのも、モサドあってのこと。
国際ジャーナリストとして有名な、落合信彦氏の情報源がモサドであることは、よく知られている。もっとも身近なところでは、道端でアクセサリーなどを売っている外国人のなかに、モサドがいるのは、知る人ぞ知る事実である。日本人は、白人系の外人はみなアメリカ人だと思い込む傾向はあるが、実際、彼らのほとんどはイスラエルのユダヤ人である。嘘だと思うなら、試しに「シャローム」と声をかけてみればいい。機嫌が良ければ、「シャローム」と返してくれるはずだ。
不思議なことに、彼らユダヤ人は、どういうわけか、日本人に興味を抱いている。以前、山本七平氏ことイザヤ・ベン・ダサンが書いた『日本人とユダヤ人』という本が話題になったが、そこに記されているように、世界的に見ると、まったく違うタイプなのに、日本人とユダヤ人は似ている。とりわけ、その意識はユダヤ人に強い。もちろん、すべてではないが、彼らは日本人の中に、はるか大昔に生き別れとなった兄弟たちがいると信じているのは事実である。
思えば、諜報活動は日本のお家芸である。代表格は、何と言っても忍者。外国人の日本人に対するイメージの一つが忍者であることは承知の通り、忍者は、まさに日本を代表する文化だと主張したいくらいだ。忍者には伊賀流、甲賀流、戸隠流などいくつかあるが、忘れてはならないのは、何と言っても服部半蔵だ。徳川家康に仕え、300年の江戸幕府の礎を築いた陰の功労者である。現在でも、地下鉄の名前に残る「半蔵門」とは、彼の名前に由来する。
服部半蔵の出身は伊賀上野、そう、伊賀流の忍者である。実際、ご当地を訪れると、町の至るところに服部の名前を冠した店が目につく。伊賀の名家、服部氏は古くから忍者を輩出した一族。伝説的な忍者である服部三蔵保長と百地三太夫、そして藤林長門、いわゆる「忍者三上忍*」は、みな服部一族なのである。服部氏はその文字からして服飾に携わった連中である。記紀によれば、服部氏の祖先は、二つの系統がある。呉服氏と漢服氏である。
いずれも大陸から服職の技術を持ち込んだ渡来人である。呉と漢という文字から、中国系渡来人とされてきたが、最近では、呉=クレは、高句麗の略称である句麗、漢=アヤは、伽耶諸国の一つ安耶だと言われる。早い話が、朝鮮系の渡来人だというわけだ。さらに具体的に、どこの何という渡来人かといえば、これが面白い。昔の服は機織りで作ったものである。古代において、機織りを専売特許としていた豪族は、一つ。一説に、機織りという名称「機」にあやかったとも言われるハタ氏、すなわち秦氏である。
服部半蔵ら、伊賀の服部氏が残した『伊乱記*』には「服部氏の祖先は、酒ノ君(さけのきみ)」と記されている。「酒の君」とは紀記にも登場する秦氏の有名人「秦酒公」のこと。つまり服部氏は秦氏。伊賀流忍者は、みな秦氏だったのである。秦氏のハタは、ユダヤを意味するヘブライ語(アラム語)の「イエフダー」に由来し、これが訛化して「イヤハダ」となり、単に「ハダ」、「ハタ」と呼ばれるようになったと考えられている。つまり、秦氏とはユダヤ氏なのである。
となると、だ。忍者の服部氏が秦氏であったということは、同時にユダヤ人だったことを意味する。そう、忍者とはユダヤ人スパイなのだ。一方、伊賀忍者と並び称される甲賀忍者だが、ここには直接、秦氏と結びつくような人物は今のところ見当たらない。が、甲賀という名称は、関東でこそ「コウガ」と濁るが、関西では「コウカ」と読む。もともと甲賀は鹿深氏に由来し、鹿深は「カフカ」と呼ばれていたらしい。
「カフカ」というと、現代実存主義文学『変身』で有名なプラハの小説家フランツ・カフカを思い出すが、彼はユダヤ人だった。ひょっとすると、鹿深氏もまた、ユダヤ人だったのかもしれない。このように現代のイスラエルよろしく、日本では古代より、ユダヤ人がスパイ活動を行っていた。言うなれば、忍者とは日本版モサドだったのだ。
*上忍(じょうにん)とは、忍者組織における最上級のランクで、指導的立場にあり、卓越した忍術や指揮能力を持つエリート忍者のこと。
*『伊乱記』(いらんき)は、江戸時代初期の1679年頃、伊賀の学者・菊岡如幻が記した軍記物です。織田信長・信雄の軍勢が伊賀へ侵攻した「天正伊賀の乱(1578-1581)」を描き、自治を誇った伊賀惣国一揆が壊滅した過程と、当時の忍者の活躍や生活、伝承を伝えています。
(2001年3月19日記載)
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